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はらっぱ


HALMA GENソロアルバム
「9 TALES」「電脳節」

■ REPORT 

Reported by 渡邊 尚さん(EX.Shady Dolls)


 空気の匂いが、3●回目の冬が近い事を教えてくれた11月のある日、僕の手元にHALMA GEN氏のソロ・アルバムが届きました。
 2枚のCDが入ったクッション入りの封筒の裏には、「Thank You!」と書かれた手書きの文字が。
 それを手に取った僕は、まるでひと足早いクリスマス・プレゼントを貰ったような気がして、郵便受けの前でひとり嬉しくなったのでした。

 (以下、親愛の情を込めてゲンちゃんと呼ばせて頂きます)
 CDを1枚につき2回ずつ立て続けに聴いてみて、先ず僕が感じた事―。
 それは、ゲンちゃんが“何物にもとらわれない自由なトコロ”で伸び伸びと創作している姿がハッキリと見え、ただただ素直に嬉しく思えた事。
 僕等アーティストにとって1番大切なその部分が、何よりも真っ先に伝わって来て、ゲンちゃんのココロの自由さとフトコロの深さに敬意を表するとともに、僕は痛く感動してしまったのです。

 “9 TALES”での繊細さ―。
 スピーカーから流れて来る音を聴いていると、ゲンちゃんがピアノと向き合っている姿や、鍵盤を叩いている指使いが、“あの頃”のように僕の目の前にリアルタイムで広がっているかのような、不思議な感覚に陥りました。
 一聴すると(癒し系?)と思いきやサにあらず、このアルバムはただ単に「美しい」だけではなく、愛や苦悩と云った様々な心のバイブレーションが、空気を振動させる“音と音符”と云うカタチになって交差し続けている―。
 ある波動は交わる事によって共鳴し合い増幅し、ある波動は打ち消し合い“無”に帰る。 そして、その様々な感情や一切のモノ全てを包み込めるのは、結局“愛”でしかない。
 (そうでしょ?)とゲンちゃんが、僕に笑いかけているような気がしました。

 “電脳節”でのマインド・テロリストぶり―。
 僕等の世代では“DEVO”を彷彿とする、過激さと斬新さ。
 僕の大好きな、世間的には全く評価されていない、DEVOの“SATISFACTION”。
 「このひとの手にかかると、こうなる」的な、圧倒的な個性と独創性。
 それが“電脳節”に収録されている楽曲の全てから強く感じ取れました。
 創作する事への執着心。それは受け継ぐ事とブチ壊す事を、「自分ならこうする」と云う、表現者として生きている者なら誰もが持っているバイタリティーによって、リスナーの側に提示できた時にのみ、初めて説得力を持つ。
 そんな力強く明確な“答え”と、アーティストとしての底力がこのアルバムには隠されており、ゲンちゃん独特の遊びゴコロによって、それらが上手くコーティングされていると感じました。

 この2枚は対極であり、また詰まるトコロは一つのココロ模様である―。
 だから、2枚同時リリースである必要があったし、それぞれのアルバムがお互いの内に蠢く“創作に対する欲求”を暴き出し、呼び合い、木霊し合っている、と僕は解釈しているのです。

 最後に―。
 こうしてゲンちゃんのソロ・アルバムを聴いてみると、いかに僕自身が狭いトコロで表現活動をしているか、と云う事を痛感せずにはいられませんでした。
 いつしか自分を“枠”の中にハメ込んでしまっていた事に気づき、また、今後僕自身が創作活動を続けて行く上での重要なヒントを貰ったようにも思えました。
 もともと僕自身の中にあったハズの“自由さ”を今一度 思い起こさせてくれた事に、今はココロから感謝したい気持ちで一杯です。
 「ゲンちゃん、ありがとう!そして道産子バンザ〜イ!」
 おしまい。


2000年11月26日 4弦テロリスト/渡邊 尚 記

 
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