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2000-2001
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| Reported by WATANABE
YUKA(Studio Harappa) |
薩摩琵琶 坂田美子&ビカム VS
吉田兄弟
■ ライブレポート その2 ■ |
◆実力派ぞろいのビカム
吉田兄弟のステージが終了すると、円形のステージが反時計回りにゆっくり回転を始め、同時に幻想的なコーラスが会場に響きだした。ビカム「津軽山唄」の前奏部分。実に効果的な演出で、坂田美子&ビカムが登場した。
ビカムは、薩摩琵琶と歌の坂田美子さんを中心に、5人からなる新邦楽ユニット。 ステージ前列中央に、薄水色の着物に薄紅色の帯、涼しげな和服姿の坂田美子さん。中列左手に尺八と笛の坂田梁山さん。右手に二十箏の稲葉美和さん。後列左がキーボードのHALMA
GEN、その右に打楽器の木村たかのぶさん。
前3人は邦楽畑、後2人はそうではないというのが、演奏を見ていると身体の動きで判る。
HALMA GENはキーボードでベースラインも受け持っており、ベースとリズムセクションが邦楽以外のプレーヤーによって演奏されている事になる。この点が、ビカムの音楽に躍動感を与えていると思う。
演奏された曲は5曲、すべて発売されたばかりのアルバム「七つの海」に収録されている。
登場しつつ始まった「津軽山唄」は、原曲は素朴な民謡だと思われるが、ブルガリアン・ヴォイスを思わせるハーモニーにアレンジされ、ミステリアスな感触に仕上げられている。坂田美子さんの絹のように艶やかで柔らかく、暖かみのある声も素晴らしいが、ビカム全体のコーラスも非常に美しい。
続いて「敦盛」は、琵琶で語られる平曲の中でも特に有名な段だが、琵琶・語り・二十箏・尺八・笛・打楽器・キーボードのアンサンブルとして現代的なアレンジが施されている。須磨の浦で船に退却する平家方、波打ち際を馬で馳せ来る源氏方。年若き平敦盛と人の子の親でもある源氏の武将熊谷直実。場面と心理とが、間近に見るごとく、緩急自在に描き出され、まるでその場に居合わせているかのような臨場感。元々涙を誘う悲劇だが、やはり目頭を押さえずにはいられなくなる。幾度聴いても素晴らしい。
「敦盛」に涙した後は、柔らかに包み込む「竹田の子守唄」にほっとさせられ、そしてメンバー紹介の後、琵琶持ち替えてオリジナル曲の「火の蛍」。坂田美子さんの詞に、ヤドランカさんが曲をつけたもの。アルバムのタイトルにもなった「七つの海」という言葉が歌詞の中にあり、東方の異国を思わせるエキゾチックな曲。
今回のライブ最後の曲となった「祇園精舎」は、吉田兄弟が再び登場、ビカムとの共演となった。最前列で琵琶を持った坂田美子さんを中央に、左側に吉田良一郎さん、右側に吉田健一さんが並び、見た目も非常に豪華。途中で二人のソロもそれぞれ演奏され、まさに夢の共演。
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photo:KITAMURA TATSUHIKO
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平家物語の冒頭である「祇園精舎」、また今回は演奏されず、アルバムにも入っていないが「敦盛」の悲劇の前段として重要な「小枝」、そして「敦盛」。邦楽や古典を知らずとも、感動せずにはいられないい素晴らしい曲だが、今までにこの3曲が全て演奏されたのは、今年3月山形でのビカム単独コンサートだけで、東京ではまだだという。是非ともこの3曲をライブで聴いてみたい。また、平家物語の別の段もアレンジして、壮大な組曲として完成し、新たなアルバムを出して欲しいと思うのは、勝手な願いだろうか。
今後、都内近郊でのライブも増えていくとの事、より沢山の人達に、ビカムの音楽の素晴らしさを実感してもらいたい。 |
| (おわり) |
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